N−メチルモルフィナンのn−脱メチル化
专利摘要:
本発明は、N−メチルモルフィナンのN−脱メチル化に関する合成過程を提供する。特に、本発明は、開始材料、例えばオリパビンおよびテバイン、およびオリパビンのC(3)保護ヒドロキシ誘導体のような、通常入手可能なN−メチルオピエートとして採用し得る、N−脱メチル化モルフィナン化合物の調製のための改良された合成方法を提供する。一実施形態において、本明細書に記載の式1を含む化合物から式2を含む化合物を調製するプロセスが提供される。 公开号:JP2011506605A 申请号:JP2010539462 申请日:2008-12-17 公开日:2011-03-03 发明作者:ゲイリー;エル. カントレル,;タオ チャン,;デイビッド;ダブリュー. バーバリッチ,;ピーター;エックス. ワン, 申请人:マリンクロッド・インコーポレイテッドMallinckrodt INC.; IPC主号:C07D489-02
专利说明:
[0001] 関連出願への相互参照 この出願は、2007年12月17日に出願された仮出願第61/014,086号(これは、その全体が参考として本明細書に援用される)からの優先権を主張する。] [0002] 発明の分野 本発明は一般的に、N−メチルモルフィナンのN−脱メチル化に関連する。] 背景技術 [0003] 発明の背景 ナルトレキソン、ナロキソン、ナルブフィン(nalbuphene)、ナルメフェン、およびブプレノルフィンのような、商業的に価値のある「nal」モルフィナン化合物または中間体は、一般的に複素環の窒素原子上の置換を欠く、ノルモルフィナン化合物から調製される。これらのノルモルフィナン化合物は、テバインおよびオリパビンのような、天然のオピエートまたは誘導体由来であり得る。しかし、このアプローチは、産物の複雑な混合物を生じ得るアプローチである、N−メチル置換基の除去を必要とする。従って、N−脱メチル化モルフィナン化合物の調製の、改良された合成方法に対する必要性が存在する。] 課題を解決するための手段 [0004] 発明の要旨 本発明の様々な局面の中で、N−脱メチル化モルフィナン化合物の調製の、改良された合成方法の提供に注目し得、それは開始物質として、例えばオリパビンおよびテバイン、およびオリパビンのC(3)−保護ヒドロキシ誘導体のような、通常入手可能なN−メチルオピエートを採用し得る。] [0005] 本発明の1つの局面は、以下の反応: 反応スキーム1] [0006] によって、式1を含む化合物から、式2を含む化合物を調製するプロセスを含み、ここで、 R1は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルからなる群より選択され; R2、R3、およびR4は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、{−}OR8、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルからなる群より独立に選択され; R6は、酸素および窒素からなる群より選択される原子であり; R8は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルからなる群より選択され; Lはハロゲンであり; Yは酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される原子であり; Zは、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルからなる群より選択され;そして nは1または2である。] [0007] 本発明のさらなる局面は、式2:] [0008] を含むN−カルボン酸エステルモルフィナン誘導体を提供し、ここで、 R3はメチル、−C(O)OZ、およびヒドロキシ保護基からなる群より選択され、そして Zはヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルからなる群より選択される。] [0009] 本発明の他の局面および反復を、下記でより詳細に説明する。] [0010] 発明の詳細な説明 様々なN−メチルモルフィナン化合物のN−脱メチル化のためのプロセスが発見された。特に、そのプロセスは、N−メチルモルフィナン基質のN−メチル置換基を、カルボン酸エステル置換基またはカルボアミド置換基と置換して、それぞれN−カルボン酸エステルモルフィナン誘導体またはN−カルボアミドモルフィナン誘導体を形成することを含む。次いでできたN−カルボン酸エステルまたはN−カルボアミド誘導体を変換して、例えばオピエートアンタゴニスト、ナルトレキソン、またはナロキソンのような、他のモルフィナン誘導体を産生し得る。] [0011] I.N−脱メチル化反応 説明の目的のために、反応スキーム1は、本発明の1つの局面による、N−メチルモルフィナン基質(1)のN−脱メチル化およびN−置換モルフィナン誘導体(2)の形成を描写する: 反応スキーム1] [0012] ここで: R1は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルからなる群より選択され; R2、R3、およびR4は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、{−}OR8、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルからなる群より独立に選択され; R6は、酸素および窒素からなる群より選択される原子であり; R8は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルからなる群より選択され; Lはハロゲンであり; Yは酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される原子であり; Zは、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルからなる群より選択され;そして nは1または2である。] [0013] 好ましい実施態様において、反応スキーム1の置換基は以下のものを含む: R1は水素、アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アリール、アシル、アルコキシカルボニル、アセタール、エーテル、シリルエーテル、およびアルキルスルホニルからなる群より選択され; R2、R3、およびR4は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アシル、アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アリール、およびアルコキシカルボニルからなる群より独立に選択され; R6は、酸素および窒素からなる群より選択され; Lは、クロロおよびブロモからなる群より選択され; Yは酸素であり; Zは、アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アラルキル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アルキルアリール、置換アラルキル、および置換アリールからなる群より選択され;そして nは1または2である。] [0014] この実施態様のさらなる反復において、R1は、水素、メチル、アルキル、アシル、アルコキシカルボニル、およびアルキルスルホニルからなる群より選択される。この実施態様の代表的な反復において、Zはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、フェニル、ベンジル、メトキシメチル、ビニル、および2−クロロエチルからなる群より選択される。] [0015] 本発明のプロセスは、N−メチルモルフィナン基質(化合物1)を脱メチル化剤で処理して、N−置換モルフィナン(化合物2)を形成することを含む。一般的に、N−脱メチル化反応のための基質(化合物1)は、あらゆるN−メチルモルフィナン化合物であり得る。好ましい実施態様において、化合物1は、テバイン、オリパビン、またはこれらの化合物それぞれの誘導体であり得る。化合物1がテバインを含む場合、R1はメチルであり、R2、R3およびR4はそれぞれ水素であり、そしてYは酸素である。あるいは、化合物1がオリパビンを含む場合、R1は水素であり、R2、R3およびR4はそれぞれ水素であり、そしてYは酸素である。当業者は、オリパビンまたは別のN−メチルモルフィナン基質のC(3)に結合した酸素を、酸素保護基で保護し得ることを認識する。] [0016] 酸素保護基は、アルコキシカルボニル、アシル、アセタール、エーテル、エステル、シリルエーテル、アルキルスルホニル、またはアリールスルホニルであり得る。代表的な酸素保護基は、アリル、トリフェニルメチル(トリチルまたはTr)、ベンジル、メタンスルホニル、p−トルエンスルホニル、p−メトキシベンジル(PMB)、p−メトキシフェニル(PMP)、メトキシメチル(MOM)、β−メトキシエトキシメチル(MEM)、テトラヒドロピラニル(THP)、エトキシエチル(EE)、メチルチオメチル(MTM)、2−メトキシ−2−プロピル(MOP)、2−トリメチルシリルエトキシメチル(SEM)、安息香酸塩(Bz)、アリル炭酸塩、2,2,2−トリクロロエチル炭酸塩(Troc)、2−トリメチルシリルエチル炭酸塩、トリメチルシリル(TMS)、トリエチルシリル(TES)、トリイソプロピルシリル(TIPS)、トリフェニルシリル(TPS)、t−ブチルジメチルシリル(TBDMS)、およびt−ブチルジフェニルシリル(TBDPS)を含む。様々な酸素の保護基およびその合成を、T.W.GreeneおよびP.G.M.Wutsによる、「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley & Sons、1999において見出し得る。] [0017] そのプロセスにおいて、化合物1を脱メチル化剤と接触させる。一般的に、脱メチル化剤は、ヒドロカルビルハロギ酸塩またはN,N−ジヒドロカルビルホルムアミドであり得る。ヒドロカルビルハロギ酸塩の混合物またはN,N−ジヒドロカルビルハロホルムアミドおよび少なくとも1つのヒドロカルビルハロギ酸塩の混合物も採用し得る。] [0018] 1つの実施態様において、N−脱メチル化剤は、式LC(O)OZを有するヒドロカルビルハロギ酸塩であり得、ここでLおよびZは上記で規定される。ヒドロカルビルハロギ酸塩脱メチル化剤を利用する好ましい実施態様において、Lはクロロまたはブロモであり得、そしてZはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、フェニル、ベンジル、メトキシメチル、ビニル、または2−クロロエチルであり得る。代表的な実施態様において、ヒドロカルビルハロギ酸塩は、クロロギ酸C1−8アルキル(例えばC1〜C8アルキル)、クロロギ酸フェニル、クロロギ酸ベンジル、またはその組み合わせであり得る。] [0019] 別の実施態様において、その脱メチル化剤は、式C(O)NZ2を有するN,N−ジヒドロカルビルホルムアミドであり得、Zは上記で規定される。代表的な実施態様において、そのN,N−ジヒドロカルビルホルムアミドは、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジプロピルホルムアミド、N,N−ジブチルホルムアミド、N,N−ジイソブチルホルムアミド等であり得る。] [0020] 副産物の形成を最小限にするために、脱メチル化剤は、好ましくは、N−メチルモルフィナン基質と比較して相対的に低い濃度に維持される。バッチ反応において、例えば、これを、N−メチルモルフィナン基質を含む反応混合物へN−脱メチル化剤を増やしながら加えることによって達成し得る。反応を、バッチで、連続的に、または半連続的な様式のいずれで行うかに関わらず、一般的に反応混合物が、N−メチルモルフィナン基質の各当量に関して約1当量から約3当量より少ない脱メチル化剤を含むことが好ましい。] [0021] N−メチルモルフィナン基質のN−脱メチル化を促進するために、その反応を、典型的にはプロトンアクセプターの存在下で行う。一般的に、そのプロトンアクセプターは、約7および約13の間、好ましくは約8および約10の間のpKaを有する。採用し得る代表的なプロトンアクセプターは、ホウ酸塩(例えばNa3BO3のような)、二および三塩基リン酸塩(例えばNa2HPO4およびNa3PO4のような)、炭酸水素塩(例えばNaHCO3、KHCO3、その混合物等のような)、水酸化物塩(例えばNaOH、KOH、その混合物等のような)、炭酸塩(例えばNa2CO3、K2CO3、その混合物等のような)、有機塩基(例えばピリジン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、およびその混合物のような)、有機緩衝剤(例えば、N−(2−アセトアミド)−2−アミノエタンスルホン酸(ACES)、N−(2−アセトアミド)−イミノ二酢酸(ADA)、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン(BICINE)、3−(シクロヘキシルアミノ)−1−プロパンスルホン酸(CAPS)、2−(シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸(CHES)、4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジンプロパンスルホン酸(EPPS)、4−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン−1−エタンスルホン酸(HEPES)、2−(4−モルホリニル)エタンスルホン酸(MES)、4−モルホリンプロパンスルホン酸(MOPS)、1,4−ピペラジンジエタンスルホン酸(PIPES)、[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]−1−プロパンスルホン酸(TAPS)、2−[(2−ヒドロキシ−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)アミノ]エタンスルホン酸(TES)、その塩および/または混合物等のような)、およびその組み合わせを含むがこれに限らない。そのプロトンアクセプターが有機緩衝剤である場合、その有機緩衝剤は、好ましくはヒドロキシ置換窒素原子を欠く。なぜなら、この置換基はヒドロカルビルハロギ酸塩反応物との反応に関して競合し得るからである。1つの実施態様において、そのプロトンアクセプターは、NaHCO3、KHCO3、K2CO3、NaOH、KOH、およびその混合物からなる群より選択される。好ましい実施態様において、そのプロトンアクセプターは、NaHCO3、KHCO3、またはその組み合わせである。] [0022] 商業的に望ましい速度で反応を進めることを可能にするために、一般的にその反応混合物が、N−メチルモルフィナン基質の各当量に関して少なくとも約1当量のプロトンアクセプターを含むことが好ましい。好ましい実施態様において、その反応混合物は、N−メチルモルフィナン基質の当量あたり約1.5当量から約6当量のプロトンアクセプターを含む。1つの特に好ましい実施態様において、その反応混合物は、N−メチルモルフィナン基質の当量あたり、約1.5当量から約3当量の炭酸水素ナトリウムまたはカリウム、またはその合わせた混合物を含む。] [0023] N−脱メチル化反応のための溶媒系は、好ましくは有機溶媒を含む。代表的な有機溶媒は、アルカンおよび置換アルカン溶媒(シクロアルカンを含む)、芳香族炭化水素、エステル、エーテル、ケトン、その組み合わせ等を含むがこれに限らない。採用し得る具体的な有機溶媒は、例えばアセトニトリル、ベンゼン、酢酸ブチル、t−ブチルメチルエーテル、t−ブチルメチルケトン、クロロベンゼン、クロロホルム、ジクロロメタン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、ジクロロエタン、ジエチルエーテル、酢酸エチル、フルオロベンゼン、ヘプタン、ヘキサン、イソブチルメチルケトン、酢酸イソプロピル、メチルエチルケトン、メチルテトラヒドロフラン、酢酸ペンチル、酢酸n−プロピル、テトラヒドロフラン、トルエン、その組み合わせ等を含む。代表的な実施態様において、その有機溶媒は、ベンゼン、クロロホルム、ジエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、ヘプタン、ヘキサン、および/またはトルエンであり得る。] [0024] 有機溶媒に加えて、その溶媒系はさらにプロトン性(protic)の溶媒を含み得、それによってその溶媒系は2相、有機相/プロトン性相の溶媒系である。2相、有機/プロトン性溶媒系を採用する場合、その溶媒系は、好ましくはプロトン性溶媒として水を含む。一般的に、水はN−脱メチル化反応において、望ましくない副産物の形成を抑制する傾向がある。その溶媒はあるいは、またはさらに、アルコールまたは他の水混和性溶媒のような、他のプロトン性溶媒を含み得る;従って、例えば、そのプロトン性溶媒相は水、水/アルコール混合物、または水/水混和性溶媒混合物であり得る。水/アルコール混合物のための代表的なアルコールは、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、およびその組み合わせを含む。水/水混和性溶媒混合物のための他の水混和性溶媒は、例えば、アセトニトリル、1−メチル−2−ピロリジノン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ホルムアミド、アセトン、テトラヒドロフラン、およびその組み合わせを含む。] [0025] 一般的に、その溶媒系中の有機溶媒の量は、N−メチルモルフィナン基質を可溶化し、実質的に均一な反応混合物を生じるために十分である。その反応混合物は、典型的には、N−メチルモルフィナン基質の各当量に関して約0.5当量から約20当量、好ましくは約1当量から約5当量の有機溶媒を含む。水を含む2相系を採用する場合、その水は一般的には反応容積全体の約0.1%から約50%、好ましくは約1%から約20%を占める。水と組み合わせて存在するなら、アルコールまたは水混和性溶媒の容積は、一般的に水の容積の約0.05%から約50%、好ましくは約1%から約10%である。] [0026] 反応混合物を形成するために、N−メチルモルフィナン基質を、典型的にはN−脱メチル化剤およびプロトンアクセプターを加える前に、有機溶媒(または2相溶媒系)と組み合わせる。しかしあるいは、溶媒、N−脱メチル化剤、およびプロトンアクセプターを組み合わせ、そしてその後N−メチルモルフィナン基質を含む反応容器に加え得る。] [0027] N−脱メチル化反応のための反応混合物の温度は、典型的には約−40℃から約85℃の範囲内である。より典型的には、その反応を、約−25℃および約65℃の間で行う。さらにより典型的には、その反応を、約−20℃から約40℃の温度で行う。1つの好ましい実施態様において、その反応を約−15℃および約40℃の間、例えば0℃および40℃の間の温度で行う。その反応を、典型的には周囲圧力下で、および好ましくは不活性雰囲気(例えば窒素またはアルゴン)中で行う。] [0028] 典型的には、その反応を、クロマトグラフィー(例えばHPLC)によって決定されるように、反応が完了するまで十分な時間進行させる。この状況において、「完了した反応」は一般的に、反応混合物が、反応の開始時に存在したそれぞれの量と比較して、有意に減少した量の基質および有意に増加した量の産物を含むことを意味する。一般的に、その反応は約1時間から約24時間、そしてより典型的には、約2時間から約8時間進行する。] [0029] N−置換モルフィナン産物(化合物2)は、Nカルボン酸エステルモルフィナン化合物であり得、ここでR6は酸素であり、そしてnは1である。あるいは、N−置換モルフィナン産物(化合物2)は、N−カルボアミドモルフィナン化合物であり得、ここでR6は窒素であり、そしてnは2である。化合物2を、当該分野で公知の方法、すなわち、例えばろ過および/または遠心分離によって、反応混合物から単離し得る。化合物2の純度は、クロマトグラフィー(例えばHPLC)によって決定されるように、典型的には少なくとも90%である。代表的な実施態様において、化合物2の純度は、クロマトグラフィーによって決定されるように、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または99.5%より高い。化合物2の収率は、約65%から約95%(mol/mol)の範囲であり得る。] [0030] 本明細書中で記載されたプロセスを用いて、偏光の回転に関して(−)または(+)立体化学配置を有するN−置換モルフィナン化合物を産生し得る。従って、1つの実施態様において、N−メチルモルフィナン基質は式1(−)に対応し、そしてN−置換モルフィナン産物は式2(−)に対応し:] [0031] ここでn、R1、R2、R3、R4、R6、およびZは、上記で記載される。] [0032] 別の実施態様において、N−メチルモルフィナン基質は式1(+)に対応し、そしてN−置換モルフィナン産物は式2(+)に対応し:] [0033] ここでn、R1、R2、R3、R4、R6、およびZは、上記で記載される。] [0034] さらに別の実施態様において、N−メチルモルフィナン基質およびN−置換モルフィナン産物は、それぞれの(−)および(+)鏡像異性体の鏡像異性体混合物であり得る。] [0035] さらに、化合物のそれぞれのキラル中心は、RまたはS配置を有し得る。議論の簡便さのために、本明細書中で言及されるコアのモルフィナン構造の環原子(ring atom)に、以下のように番号をつける:] [0036] コアのモルフィナン構造において示すように、本発明の過程において利用される化合物のいずれも構成する、4つのキラル炭素、すなわち炭素5、13、14、および9が存在する。従って、N−メチルモルフィナン基質およびN−置換モルフィナン産物の配置は、C(5)、C(13)、C(14)、およびC(9)に関して、RRRS、RRSS、SRRS、SRSS、RSRR、RSSR、SSRR、またはSSSRであり得る。代表的な実施態様において、N−メチルモルフィナン基質およびN−置換モルフィナン産物の配置は、(−)RSRRまたは(+)SRSSであり得る。] [0037] II.さらなる誘導体化 本発明のN−置換モルフィナン産物は、それ自身最終産物であり得る、または1つまたはそれ以上の工程でさらに誘導体化して、さらなるモルフィナン中間体または最終産物を産生し得る中間体であり得る。例えば、N−カルボン酸エステルモルフィナン化合物を、続いてノルオキシモルフォンおよびノルオキシコドンのような通常利用されるノルモルフィナン中間体に変換し得、それを今度は、さらに誘導体化して他の商業的に価値のあるモルフィナン化合物(例えばブプレノルフィン、ジヒドロエトルフィン、ジプレノルフィン、エトルフィン、ナルブフィン、ナルメフェン、ナロキソン、およびナルトレキソン)を形成し得る。そのような商業的に価値のあるモルフィナンの調製の一般的な反応スキームは、特にRiceに対する米国特許第4,368,326号において開示されており、その開示全体はこれによって本明細書中で参考文献に組み込まれる。前に記載したように、このさらなる誘導体化のための開始材料として使用されるN−カルボン酸エステルモルフィナン産物は、(−)鏡像異性体、(+)鏡像異性体、または2つの鏡像異性体混合物であり得る。] [0038] 説明の目的のために、反応スキーム2は、N−カルボン酸エステルノルオリパビン(7)からのノルオキシモルフォン(9)の調製を示し、そして反応スキーム3は、N−カルボン酸エステルノルテバイン(4)からのノルオキシコドン(10)の調製を示し、ここでR311は酸素保護基であり、そしてZは反応スキーム1に関連して上記で定義される。] [0039] 反応スキーム2および3において示すように、工程Aは、α,β−不飽和モルフィナン−6−オン(8)または(8A)を形成する、N−カルボン酸エステルオリパビン(7)またはN−カルボン酸エステルノルテバイン(4)の酸化を含む。一般的に、その酸化は、N−カルボン酸エステルオリパビン(7)またはN−カルボン酸エステルノルテバイン(4)の、酸化剤による処理を含む。N−カルボン酸エステルオリパビン(7)またはN−カルボン酸エステルノルテバイン(4)のC(6)およびC(14)位の酸化のために、様々な酸化剤をこの工程において使用し得る。使用し得る酸化剤の例は、二クロム酸塩(例えば二クロム酸アンモニウム、二クロム酸カリウム、二クロム酸ナトリウム等);臭素酸塩(例えば臭素酸バリウム、臭素酸マグネシウム、臭素酸カリウム、臭素酸ナトリウム等);塩素酸塩(例えば塩素酸アンモニウム、塩素酸バリウム、塩素酸カルシウム、塩素酸カリウム、塩素酸ナトリウム等);亜塩素酸塩(例えば亜塩素酸銅、亜塩素酸鉛、亜塩素酸カリウム、亜塩素酸ナトリウム等);クロロイソシアヌル酸(例えばトリクロロイソシアヌル酸等);クロム酸塩(例えばクロム酸カリウム等);クロム酸化物(例えばクロム無水物(クロム三酸化物));二クロム酸塩(例えば二クロム酸ナトリウム、二クロム酸カリウム等);過酸化水素;次亜臭素酸塩(例えば次亜臭素酸ナトリウム等);次亜塩素酸塩(次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸ナトリウム等);次亜ヨウ素酸塩(例えば次亜ヨウ素酸ナトリウム、次亜ヨウ素酸カリウム等);無機過酸化物(例えば過酸化バリウム、過酸化カルシウム、過酸化セシウム、過酸化リチウム、過酸化マグネシウム、過酸化カリウム、過酸化ルビジウム、過酸化ナトリウム、過酸化ストロンチウム等);ヨウ素酸塩(例えばヨウ素酸カルシウム、ヨウ素酸カリウム、ヨウ素酸ナトリウム、ヨウ素酸亜鉛等);ヨウ素酸化物(五酸化二ヨウ素等);鉛酸化物(例えば二酸化鉛等);二酸化マンガン;硝酸塩(硝酸アンモニウム、硝酸アンモニウムセリウム、硝酸バリウム、硝酸カリウム、硝酸銀、硝酸ナトリウム等);硝酸;亜硝酸塩(例えば亜硝酸カリウム、亜硝酸ナトリウム等);過塩素酸塩(例えば過塩素酸アンモニウム、過塩素酸カリウム、過塩素酸ナトリウム等);過ヨウ素酸塩(例えば過ヨウ素酸カリウム、過ヨウ素酸ナトリウム等);過ヨウ素酸(例えばメタ過ヨウ素酸等);過マンガン酸塩(例えば、過マンガン酸アンモニウム、過マンガン酸マグネシウム、過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム等);過ホウ酸塩(例えば過ホウ酸アンモニウム等);過塩素酸;過硫酸塩(例えば過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等);過酸(peroxy acid)(例えば過酢酸、過安息香酸、過ギ酸、トリフルオロ過酢酸等);有機過酸化物(例えば過酸化ベンゾイル等);四酸化物(例えば四酸化オスミウム、四酸化ルテニウム等);および酸素を含み得るがこれに限らない。酸素源として、空気も使用し得る。1つの特定の実施態様において、その酸化剤は過酸であり;従って、例えば酸化剤は過酢酸、過安息香酸、過ギ酸、またはトリフルオロ過酢酸であり得る。典型的には、わずかに過剰の酸化剤を採用する。] [0040] スキーム2および3の工程Bにおいて、α,β−不飽和モルフィナン−6−オン(8)または(8A)を還元して、それぞれ化合物8または化合物8ARを形成する。一般的に、C(7)およびC(8)環炭素原子の間のα,β−不飽和を還元し、そしてカルボン酸エステル部分(−C(O)OZ)を窒素原子から除去するために、その還元を行う。特定の置換基に依存して、すなわちR311およびZの性質に依存して、加水分解剤による化合物のさらなる処理を行って、ヒドロキシ保護基、R311、およびカルボン酸エステル部分、−C(O)OZを除去し得る。] [0041] 例えば化学的還元、接触還元(catalytic reduction)等を含む、広く様々な還元アプローチを、工程Bで採用し得る。化学的還元において使用するための代表的な還元剤は、水素化物(例えばヨウ化水素、硫化水素、水素化リチウムアルミニウム、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等)、または金属(例えばスズ、亜鉛、または鉄)または金属化合物(例えば塩化クロム、酢酸クロム等)と有機または無機酸(例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、塩酸等)の組み合わせ、ヨウ化サマリウム、および他を含む。水素による接触還元法において使用するための代表的な還元剤は、例えば白金触媒(例えば白金黒、白金コロイド、白金酸化物、白金板、白金海綿、白金ワイヤー等)、パラジウム触媒(例えばパラジウム黒、炭酸バリウム上のパラジウム、硫酸バリウム上のパラジウム、パラジウムコロイド、炭素上のパラジウム、炭素上の水酸化パラジウム、酸化パラジウム、パラジウムスポンジ等)、ニッケル触媒(例えば酸化ニッケル、ラネーニッケル、還元ニッケル等)、コバルト触媒(例えばラネーコバルト、還元コバルト等)、鉄触媒(例えばラネー鉄、還元鉄、ウルマン鉄等)、および他のような、通常使用される触媒を含む。1つの特定の実施態様において、α,β−不飽和モルフィナン−6−オン(8)または(8A)を、接触還元を用いて還元する(例えばPd/C触媒転移水素付加)。] [0042] 反応スキーム2および3の工程Cは、ノルオキシモルフォン(9)またはノルオキシコドン(10)を形成するための加水分解反応を含む。ヒドロキシ保護基、R311および/またはカルボン酸エステル部分、−C(O)OZの除去を助けるために加水分解剤を使用する場合、その選択された特定の加水分解剤があらゆる他の位置またはモルフィナンに存在する結合に影響を与えない条件で、様々な水性加水分解剤を採用し得る。一般的に、硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、塩酸、または臭化水素酸のような、従来の加水分解剤を採用し得る。] [0043] 当業者は、他のN−置換モルフィナン産物を、反応スキーム2および3において上記で概略を述べたように、工程A、BおよびCを用いて、または当該分野で公知の他の誘導体化方法を用いて、他の中間体または最終産物に誘導体化し得ることを認識する。] [0044] 反応スキーム1由来のN−カルボン酸エステルモルフィナンから得られ得る、関心のある他の最終産物および中間体モルフィナンは、一般的に式(100):] [0045] に対応する、広い範囲のオピエート受容体アゴニストおよびアンタゴニスト、およびその中間体を含み、ここで−A6−A7−A8−A14−は、式(S)、(T)、(U)、(V)、(W)、(X)、(Y)、または(Z):] [0046] に対応し、ここで: R11およびR22は独立に、水素、置換および非置換アシル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアリール、アルキル、アルキルアミノ、アルキルチオ、アルキニル、アミノ、アリール、アリールアルコキシ、カルボアルコキシ、カルボニル、カルボキシアルケニル、カルボキシアルキル、カルボキシル、シアノ、シアノアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シクロアルキルエーテル、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、複素環、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、またはニトロであり; R14は、水素、アシルオキシ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシである、またはR62もしくはR63と共にエチレン架橋(ethylene bridge)を形成する; R17は、水素、アルキル、アルコキシ、アルキレンシクロアルキル、アリル、アルケニル、アシル、ホルミル、ホルミルエステル、ホルムアミド、またはベンジルであり; R17aおよびR17bは独立に、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、アリール、またはベンジルであり; R18およびR19は独立に、水素、置換および非置換アシル、アルケニル、アルコキシ、アルコキシアリール、アルキル、アルキルアミノ、アリールチオ、アルキルチオ、アルキニル、アミノ、アリール、アリールアルコキシ、カルボアルコキシ、カルボキシアルケニル、カルボキシアルキル、カルボキシル、シアノ、シアノアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ハロ、ハロアルコキシ、ハロアルキル、ヘテロアリール、複素環、ヒドロキシアルキル、ヒドロキシ、またはニトロである、またはR18およびR19は共にケトを形成する; R33は、アルコキシ、アシルオキシ、ヒドロキシ、または保護ヒドロキシであり; R61は、アルコキシ、アシルオキシ、ヒドロキシ、または保護ヒドロキシであり; R62およびR63は独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリル、アルコキシ、アルキルチオ、アシルオキシ、またはアリールである、共にケトを形成する、それらが結合する炭素原子と共に、ケタール、ジチオケタール、またはモノケタールを形成する、またはR62およびR63の1つは、R14と共にエチレン架橋を形成する; R71およびR81は独立に、水素、ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、またはハロであり;および Xは酸素、硫黄、−S(O)−、−S(O2)−、−C(R18)(R19)−、−N(R17)−、または−N+(R17aR17b)−である。] [0047] 特定の実施態様において、本発明によって産生された産物および中間体は、式(100)に対応するモルフィナン化合物の調製において有用であり、ここでXは、−N(R17)−または−N+(R17a)(R17b)−であり、およびもし存在するなら、R17、R17a、およびR17bは上記のように定義する。] [0048] 明確にする目的のために、それぞれ式(100)のA6、A7、A8、およびA14に対応する、式(S)、(T)、(U)、(V)、(W)、(X)、(Y)、および(Z)の炭素原子が識別されている(それぞれに炭素原子が対応する矢印で示すことによって)。さらに、式(100)の多環式環に結合する点を示すために、式(S)、(T)、(U)、(V)、(W)、(X)、(Y)、および(Z)に波線を含めた。] [0049] 反応スキーム2および3に関連して前に述べたように、産生し得る代表的な中間体モルフィナンは、例えばノルオキシモルフォン(すなわち式(100)、ここでR11、R17、およびR22は水素であり、R33はヒドロキシであり、Xは−N(R17)−であり、そして−A6−A7−A8−A14−は式(Y)に対応し、ここでR14はヒドロキシであり、R62およびR63は共にケトを形成し、そしてR71およびR81は水素である)(それは下記の式(101)に対応する)、およびノルオキシコドン(すなわち式(100)、ここでR11、R17、およびR22は水素であり、R33はメトキシであり、Xは−N(R17)−であり、そして−A6−A7−A8−A14−は式(Y)に対応し、ここでR14はヒドロキシであり、R62およびR63は共にケトを形成し、そしてR71およびR81は水素である)(それは下記の式(102)に対応する)、およびその塩、中間体、およびアナログを含む。] [0050] ノルオキシモルフォン、ノルオキシコドンから、またはそうでなければ反応スキーム1のN−カルボン酸エステルモルフィナン(2)から得られ得る代表的な最終産物モルフィナンは、例えばナルブフィン、ナルメフェン、ナロキソン、ナルトレキソン、ナルトレキソンメトブロミド、3−O−メチルナルトレキソン、およびその塩、中間体、およびアナログを含む。代表的な例を下記に示す:] [0051] 定義 本明細書中で単独で、または別の基の一部として使用される「アシル」という用語は、有機カルボン酸のCOOH基からヒドロキシ基を除去することによって形成される部分、例えばRC(O)−を示し、ここでRはR1、R1O−、R1R2N−、またはR1S−であり、R1はヒドロカルビル、ヘテロ置換ヒドロカルビル、またはヘテロシクロであり、そしてR2は水素、ヒドロカルビル、または置換ヒドロカルビルである。] [0052] 本明細書中で使用される「アセタール」という用語は、2つの酸素が同じ炭素に結合している部分を指す;アセタール炭素の他のR基の1つは水素である。] [0053] 本明細書中で単独で、または別の基の一部として使用される「アシルオキシ」という用語は、酸素結合(O)によって結合した、上記で記載したようなアシル基、例えばRC(O)O−を示し、ここでRは「アシル」という用語に関連して定義したものである。] [0054] 本明細書中で使用される「アルキル」という用語は、好ましくは主な鎖に1から8個の炭素原子、および20までの炭素原子を含む低級アルキルである基を説明する。それらは直鎖または分岐鎖または環状であり得、そしてメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル等を含む。] [0055] 本明細書中で使用される「アルカリール」または「アルキルアリール」という用語は、好ましくは、トルイル、エチルフェニル、またはメチルナフチルのような、低級アルキル置換基を有するアリール基である基を説明する。] [0056] 本明細書中で使用される「アルケニル」という用語は、好ましくは主な鎖に2から8個の炭素原子、および20までの炭素原子を含む低級アルケニルである基を説明する。それらは直鎖または分岐鎖または環状であり得、そしてエテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ヘキセニル等を含む。] [0057] 本明細書中で使用される「アルキニル」という用語は、好ましくは主な鎖に2から8個の炭素原子、および20までの炭素原子を含む低級アルキニルである基を説明する。それらは直鎖または分岐鎖であり得、そしてエチニル、プロピニル、ブチニル、イソブチニル、ヘキシニル等を含む。] [0058] 本明細書中で使用される「アラルキル」という用語は、好ましくはベンジル、フェニルエチル、または2−ナフチルメチルのような、アリール置換基を有する1から8個の炭素原子を含む低級アルキルである基を説明する。] [0059] 本明細書中で単独で、または別の基の一部として使用される「芳香族」という用語は、任意で置換された、同素環式または複素環式芳香族基を示す。これらの芳香族基は、好ましくは6から14個の原子を環状部分に含む、単環式、二環式、または三環式の基である。「芳香族」という用語は、下記で定義する「アリール」および「ヘテロアリール」基を含む。] [0060] 本明細書中で単独で、または別の基の一部として使用される「アリール」という用語は、任意で置換された同素環式芳香族基、好ましくはフェニル、ビフェニル、ナフチル、置換フェニル、置換ビフェニル、または置換ナフチルのような、環状部分に6から12個の炭素を含む単環式または二環式基を示す。フェニルおよび置換フェニルが、より好ましいアリールである。] [0061] 本明細書中で使用される「エーテル」という用語は、2つのアルキル、アリール、置換アルキル、または置換アリール基に結合した酸素原子、すなわち一般式ROR’を示す。] [0062] 本明細書中で単独で、または別の基の一部として使用される「ハロゲン」または「ハロ」という用語は、塩素、臭素、フッ素、およびヨウ素原子を指す。] [0063] 「ヘテロ原子」という用語は、炭素および水素以外の原子を指す。] [0064] 本明細書中で単独で、または別の基の一部として使用される「複素環」または「複素環式」という用語は、少なくとも1つの環に少なくとも1つのヘテロ原子、そして好ましくは各環に5または6個の原子を有する、任意で置換された、完全に飽和したまたは不飽和の、単環式または二環式、芳香族または非芳香族基を示す。複素環基は、好ましくは環に1つまたは2つの酸素原子および/または1から4個の窒素原子を有し、そして炭素またはヘテロ原子で分子の残りの部分と結合している。代表的な複素環基は、下記で記載するような芳香族複素環を含む。代表的な置換基は、1つまたはそれ以上の以下の基を含む:ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、ハロゲン、アミド、アミノ、シアノ、ケタール、アセタール、エステルおよびエーテル。] [0065] 本明細書中で単独で、または別の基の一部として使用される「ヘテロアリール」という用語は、少なくとも1つの環に少なくとも1つのヘテロ原子、および好ましくは各環に5または6個の原子を有する、任意で置換された芳香族基を示す。ヘテロアリール基は、好ましくは環に1または2個の酸素原子および/または1から4個の窒素原子を有し、そして炭素で分子の残りの部分と結合している。代表的なヘテロアリールは、フリル、ベンゾフリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、ベンゾキサゾリル、ベンゾキサジアゾリル、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジル、ピラジニル、ピリダジニル、インドリル、イソインドリル、インドリジニル、ベンゾイミダゾリル、インダゾリル、ベンゾトリアゾリル、テトラゾロピリダジニル、カルバゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、イミダゾピリジル等を含む。代表的な置換基は、1つまたはそれ以上の以下の基を含む:ヒドロカルビル、置換ヒドロカルビル、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、アルコキシ、アルケノキシ、アルキノキシ、アリールオキシ、ハロゲン、アミド、アミノ、シアノ、ケタール、アセタール、エステルおよびエーテル。] [0066] 本明細書中で使用される「炭化水素」および「ヒドロカルビル」という用語は、炭素および水素の元素のみから成る有機化合物またはラジカルを説明する。これらの部分は、アルキル、アルケニル、アルキニル、およびアリール部分を含む。これらの部分はまた、アルカリール、アルケンアリール(alkenaryl)、およびアルキンアリール(alkynaryl)のような、他の脂肪族または環状炭化水素基で置換された、アルキル、アルケニル、アルキニル、およびアリール部分を含む。他に示さなければ、これらの部分は、好ましくは1から20個の炭素原子を含む。] [0067] 本明細書中で記載される「置換ヒドロカルビル」部分は、炭素鎖原子が窒素、酸素、ケイ素、リン、ホウ素、硫黄、またはハロゲン原子のようなヘテロ原子で置換された部分を含む、炭素以外の少なくとも1つの原子で置換されたヒドロカルビル部分である。これらの置換基は、ハロゲン、複素環、アルコキシ、アルケノキシ、アリールオキシ、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、アシル、アシルオキシ、ニトロ、アミノ、アミド、ニトロ、シアノ、ケタール、アセタール、エステル、およびエーテルを含む。] [0068] 本明細書中で使用される「酸素保護基」という用語は、遊離の酸素原子(すなわち、ヒドロキシル基の酸素)を保護し得る基を示し、それは保護を採用するための反応に続いて、分子の他の部分を妨害することなく除去し得る。] [0069] 本明細書中で使用される「シリルエーテル」という用語は、ケイ素原子がアルコキシ基に共有結合した部分を示す。一般的な構造はR1R2R3Si−O−R4であり、ここでR4はアルキル基またはアリール基であり、そしてR1−R3は独立にヒドロカルビルまたは置換ヒドロカルビルである。] [0070] 本発明またはその好ましい実施態様の要素を紹介する場合、「a」「an」「the」および「said」という冠詞は、1つまたはそれ以上の要素が存在することを意味するよう意図する。「構成する」「含む」および「有する」という用語は、包括的であることを意図し、そして列挙した要素以外にさらなる要素が存在し得ることを意味する。] [0071] 本発明の範囲から離れることなく、様々な変更を上記の化合物、産物および方法において行い得るので、上記の説明および下記で提供する実施例に含まれる全てのものは、説明として解釈され、制限する意味で解釈されないことが意図される。] [0072] 以下の実施例は、本発明の様々な反復を説明する。] [0073] 実施例1.オリパビンのクロロギ酸エチルとの反応 オリパビンを、3つの異なる濃度のクロロギ酸エチル(ClCO2Et)と反応させた。オリパビンの3つのサンプルを調製した。それぞれに関して、0.3gのオリパビンを、5mLのクロロホルム(CHCl3)に撹拌しながら加えた。一旦溶液になったら、その混合物を約0−5℃に冷却した。5mLの飽和NaHCO3を、各混合物に撹拌しならが加えた。異なる量のClCO2Et、すなわち1、2、または3当量のClCO2Etを各混合物に加えた(表1に示すように)。クロロギ酸エチルを加えた後、各混合物を室温で30分間撹拌し、そして次いでHPLCのためにサンプリングして反応が完了まで進んだかどうか決定した。] [0074] 表1に示すように、オリパビンを3当量のClCO2Et(サンプル#3)と反応させた場合に反応が完了した。このサンプルに関して、その有機溶液を5%のNaHCO3(9mL)、5%HOAc(9mL)、および次いで水(9mL)で洗浄した。有機層を減圧下で乾燥するまで減少させて、0.4gの固体を得た。] [0075] 実施例2.テバインのクロロギ酸エチルとの反応 テバインおよびクロロギ酸エチルに関して正しい比率を決定するために、実施例1で記載したものと同様の実験を行った。各サンプルに関して、0.31gのテバインを、5mLのCHCl3に溶解した。一旦溶液になったら、その混合物を約0−5℃に冷却した。5mLの飽和NaHCO3を、各混合物に撹拌しならが加えた。各混合物にClCO2Et(表2に示すように)を加え、それを室温で30分間撹拌し、そして次いでHPLCのためにサンプリングして反応が完了まで進んだかどうか決定した。] 実施例 [0076] 表2に示すように、テバインを3当量のClCO2Et(サンプル#3)と反応させた場合に反応が完了した。このサンプルを、上記で記載したように、5%のNaHCO3、5%HOAc、および水で洗浄した。有機層を減圧下で乾燥するまで減少させて、0.4gの固体を得た。]
权利要求:
請求項1 以下:の反応にしたがって式1を含む化合物から式2を含む化合物を調製するためのプロセスであって、ここで、R1は水素、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルからなる群より選択され;R2、R3、およびR4は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、{−}OR8、ヒドロカルビル、および置換ヒドロカルビルからなる群より独立に選択され;R6は、酸素および窒素からなる群より選択される原子であり;R8は、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルからなる群より選択され;Lはハロゲンであり;Yは酸素、窒素および硫黄からなる群より選択される原子であり;Zは、ヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルからなる群より選択され;そしてnは1または2である、プロセス。 請求項2 R1が、水素、アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アリール、アシル、アルコキシカルボニル、アセタール、エーテル、シリルエーテル、およびアルキルスルホニルからなる群より選択され;R2、R3、およびR4が、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、アシル、アルキル、アルケニル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アリール、およびアルコキシカルボニルからなる群より独立に選択され;Lが、クロロおよびブロモからなる群より選択され;Yが酸素であり;Zが、アルキル、アルケニル、アルキルアリール、アラルキル、アリール、置換アルキル、置換アルケニル、置換アルキルアリール、置換アラルキル、および置換アリールからなる群より選択される、請求項1に記載のプロセス。 請求項3 R1が、水素、メチル、アルキル、アシル、アルコキシカルボニル、およびアルキルスルホニルからなる群より選択され、Zがメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、フェニル、ベンジル、メトキシメチル、ビニル、または2−クロロエチルからなる群より選択される、請求項1または2のいずれか一項に記載のプロセス。 請求項4 R1が、水素、メチルおよび酸素保護基からなる群より選択され;Yは酸素であり;R2、R3、およびR4が各々水素であり;そして、Zが、アルキルおよびベンジルからなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか一項に記載のプロセス。 請求項5 R6が酸素であり、nが1である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロセス。 請求項6 R6が窒素であり、nが2である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のプロセス。 請求項7 LC(O)OZが、クロロギ酸C1−8アルキル、クロロギ酸フェニル、クロロギ酸ベンジル、およびその組み合わせからなる群より選択されるヒドロカルビルハロギ酸塩である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロセス。 請求項8 C(O)NZ2が、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジプロピルホルムアミド、N,N−ジブチルホルムアミド、N,N−ジイソブチルホルムアミド、およびこれらの混合物からなる群より選択されるN,N−ジヒドロカルビルホルムアミドである、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロセス。 請求項9 LC(O)OZまたはC(O)NZ2対前記式1を含む化合物のモル比が、約1:1〜約3:1であり;前記プロトンアクセプターが、約7より大きいpKaを有し、かつNaHCO3、KHCO3、Na2CO3、K2CO3、NaOH、KOH、およびこれらの組み合わせからなる群より選択され;該プロトンアクセプター対該式1を含む化合物のモル比が、約1.5:1〜約6:1であり;前記反応が、約0℃〜約40℃の範囲の温度で実施され;そして前記式2を含む化合物の収率が、約65%〜約95%である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のプロセス。 請求項10 前記反応が、ベンゼン、クロロホルム、ジエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、ヘプタン、ヘキサン、トルエンおよびこれらの組み合わせからなる群より選択される有機溶媒を含む溶媒系の存在下で実施され;有機溶媒対前記式1を含む化合物のモル比が、約0.5:1〜約20:1である、請求項1〜9のいずれか一項に記載のプロセス。 請求項11 前記溶媒系が、さらにプロトン性溶媒および水混和性溶媒からなる群より選択される溶媒を含む、請求項10に記載のプロセス。 請求項12 式1および2を含む化合物の光学活性が、(−)鏡像異性体、(+)鏡像異性体およびこれらの組み合わせからなる群より選択され;式1および2を含む化合物の、炭素5、13、14および9それぞれの配置が、RRRS、RRSS、SRRS、SRSS、RSRR、RSSR、SSRRおよびSSSRからなる群より選択される、請求項1〜11のいずれか一項に記載のプロセス。 請求項13 式2:を含む、N−カルボン酸エステルモルフィナン誘導体であって、ここで、R3はメチル、−C(O)OZ、およびヒドロキシ保護基からなる群より選択され、そしてZはヒドロカルビルおよび置換ヒドロカルビルからなる群より選択される、N−カルボン酸エステルモルフィナン誘導体。 請求項14 Zがメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、フェニル、ベンジル、メトキシメチル、ビニル、および2−クロロエチルからなる群より選択される、請求項13に記載のN−カルボン酸エステルモルフィナン誘導体。 請求項15 R3が−C(O)OZであり、Zがメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、フェニル、ベンジル、メトキシメチル、ビニル、または2−クロロエチルからなる群より選択される、請求項13に記載のN−カルボン酸エステルモルフィナン誘導体。
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